INTERVIEW3

こぞという植物の木の皮の、さらに内側白皮という部分を使う。1本1本、丁寧に洗い表皮を剥いでいく。気の遠くなる作業。
こぞという植物の木の皮の、さらに内側白皮という部分を使う。1本1本、丁寧に洗い表皮を剥いでいく。気の遠くなる作業。

 やっぱり楮 100%は職人からすると
「誇らしい」。

 

私は国産楮をやってきたから、これからも国産楮でやっていきたいと思っていて今はこだわっています。 用途によって混ぜ物をするのは理解しているけど、楮が好きで使い勝手の点からは難しいところもあるのだけど、やっぱり楮 100% は職人からすると「誇らしい」(笑)。日本の和紙だっていえる由縁のひとつだなぁと。

量は少ないですが、ここでも楮を栽培しています。
今年は雪のない時期(12 月上旬)に刈り取りました。白川で 10kg。ここは寒冷地なので、普段は 11 月 2・3 週に刈りますが、他の産地は 2・3 週遅いです。多分日照時間が短いので、普通の楮より細い。三浦さん曰く高知の楮より細い楮が取れて、繊細で目が詰まるらしいです

外国産の楮は、あまり経験はないのだけどアクがつよかったり、茶色っぽかったりするので処理が若干変わってきます。
漉いてみると、アクが強いせいか繊維の絡まりが弱い感じがする。強いアクを煮出すために強アルカリの苛性ソーダで煮出したりと排水が環境に良くなかったりする。
漉き方を体が覚えてしまっているので、基本的には外国産よりは国産が好き。
本来は外国産楮にも職人が対応しなければいけない部分かも知れませんが。外国産で良い紙を漉くのに、見極めにちょっと時間は掛かると思います。今ここの和紙は高知のものを使っていますが、かつ地元産楮でも作る、その路線が各地で採られるべき方法論だとも思います。

漉き終わると表面にうっすらと半透明の膜ができる。これが和紙になる。
漉き終わると表面にうっすらと半透明の膜ができる。これが和紙になる。

紙をつくるとき、使うとき。紙漉きの意識にも差をつける。 

和紙づくりにおいて、売り物か物作りか、私は少し意識を分けています。紙として販売するときは使う人が息吹きを入れてくれるように出来るだけ「キレイな気持ち」で漉いています。物作りのときの紙は、最終形態の目的があるので、例えば「名刺入れを作るための紙を作る」など厚さや使用シーンをイメージして気持ちを込めて作ります。一生懸命さは一緒です。暖かさ、手作業だよっていう想いはどちらも同じです

 

手漉き和紙に宿る「愛情」。

手漉き和紙と機械漉きの差って、「人の手」が掛けている「愛情」だと思います。目には見えないけど、楮の下ごしらえから一つずつ手間を掛けるということは愛情だと思う。機械とは違う、温度がある、0.3 度くらいかも知れないけど。自分が納得するような仕事をどの工程でもしたい。出来た紙に愛情を感じて貰えたらウレシイ。 是非、使ってくださいと思える瞬間をもっと増やしていきたい。 

INTERVIEW 1

次の世代へ紙漉きを繋げるために

 

最初は、こういう環境だと想定していないで山形に飛び込んできました...

INTERVIEW 2

自然と調和すること

 

1日の仕事の段取りをする、その日の材料を用意して、陽が昇って仕事して日が暮れて終わるっていう感じ?

INTERVIEW 3

やっぱり楮100%は職人からすると「誇らしい」

 

私は国産楮をやってきたから、これからも国産楮でやっていきたいと今はこだわっています...

INTERVIEW 4

いつか「これだ!」と思う紙を作れる、そう思うとワクワク

 

正直、寒い中チマチマやっいてしんどいけど、でも和紙をやっていて毎日ワクワクしている...


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