INTERVIEW

山形県は大井沢「月山和紙」

月山和紙のある西川町大井沢地区は、出羽三山の月山、

湯殿山、朝日連峰に囲まれた、雪深い環境にある。

朝日連峰から続く、川になる前の上流の沢が通り、沿うように街道にができた。

出羽三山の山岳信仰で山頂を目指す修験道者たちのために開かれた道智道で、

そこに、月山和紙の漉き場はある。

 

西川町岩根沢地区で漉かれていた西山和紙がその源流。

江戸時代から400年の歴史を持つ手漉き和紙で、

農閑期、冬のみの産業として、16世紀後半、出羽三山の山岳信仰の隆盛と共にあった。

多数ある寺院の宿坊などで使われていたという。

 

その頃作られていた2寸6尺(30×78cm)の和紙は、今も変わらず漉かれている。

特徴は楮100%であること。

そして、薬品漂白などは行わずソーダ灰による煮熟であること。

自然由来の和紙として今も受け継がれているが、昔は200軒あった漉き場も、現在、職人はふたり。

今回はその両名、三浦一之さんと、月山和紙の後継者としてこの地に移住してきた渋谷尚子さんに話を伺うことができた。

三浦一之氏


「和紙は自然の中じゃないと作れない。」

チャプチャプという水音とともにジャズがうすく流れている。

月山の麓にひっそりと佇む工房は、静かで集中出来る環境だった。

大井沢にて月山和紙を守ってきた職人三浦さんは、この地に来てから24年になるという、穏やかな工房で紙を漉き続ける三浦さんに話を聞いた...


渋谷尚子氏


「積み上げていく、伝えていく、淡々と」

元々京都で紙漉きをしていた渋谷さん。縁あって月山和紙の後継者となり、この地に移住することになった。自然と寄り添い調和する生活の中で、伝統の和紙づくりだけでなく、名刺入れやカバンなどの物作りも続けている。自然と隣あわせの毎日を楽しみながら月山の紙漉きを受け継ぐ、今の気持ちを聞いた...




取材・ディレクション  和氣明子(FUTURE'S)
撮影 宿野辺隆之
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